「今飲んで美味しい」リーズナブルな価格の熟成ボルドーを探して
コロナ自粛でプロ向け試飲会がさっぱり開催されないので、自腹で輸入元から熟成ボルドーを買ってテイスティングしました。
経験上、この手の熟成ワインはピンキリで、抜群の美酒から味が落ちた残念なものまで玉石混合なので、きちんと仕入前に自分の舌でワインの状態を確認することにしています。
「今飲んでちゃんと美味しいか」「価格にお得感があるか」「料理との相性はどうか」を重視しつつ比較テイスティングしました。(画像右から)
★シャトー レ ゾルム ソルベ 2009
しっとりしたカシスなどフレッシュなベリーがあり、鉄味と酸を伴い、バランスは綺麗。タンニンがこなれていてキツさはないので、他4種と比べた中では一番力強い果実味の押しがあり、嫌われずに飲める。牛肉ステーキの脂を流す。開けて翌日もジューシーな酸で美味しい。
★シャトー レ モワンヌ 2005
上より締まったタンニンと固さがあり生真面目で閉じたエキス。やや美味しさが伝わりにくい。その分時間が経ってもヘタれない。トリュフクリームスープと合わせてみたが収斂してしまう。牛肉ステーキの後だと少し若い渋さが増す。
★シャトー レ ヴェイラック 1999
木の皮、肉っぽさとカベルネ フランの青み。鉱物ニュアンスのある生真面目なボルドーでタンニンがまだ残っている。牛肉ステーキの後だと青みが出るが、それが良さとするとラム(羊肉)と好相性。
★シャトー ラ クロワ カノン 1999
綺麗に熟成している古酒。枯葉、紅茶、チェリー、燻製、オーク、なめし皮、キノコの香りが立ち昇る。
枯れてもなお余韻の深さが桁違い!淡麗な旨味が印象的で、只者ではない造りの良さが現れている。
トリュフなどキノコ料理と良く合い、牛肉ステーキの後に口に含むとワインの甘みが増す底力を秘めていることに驚く。
味のインパクトや果実味の豊かさではなく余韻で勝負する老練なスタイルで、第一印象は淡く静かだが、飲み込んだ後にまるで立体的な枯山水に迷い込んだかのような幽玄の思索に誘われる感覚は素晴らしい。
「良いとされているブランドワイン」を買うのではなく「良い状態の美味しいワイン」を買いたい人には、この上ない掘り出し物だ!
最初のレ ゾルム ソルベ 2009は良かったのですが、お値段3000円台後半という価格を考えると「もう少し安い2009ボルドーが見つけられるはず」と判断。
結果、最後の「ラ クロワ カノン 1999」の風格とコスパの良さに感嘆し、輸入元の在庫全量を仕入れました。
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2000円台の掘り出し物熟成ボルドーを見つけました
さらに追加で、2008~2009年でリーズナブルなシャトーを絞り込んでテイスティングしました。(画像右から)
★シャトー ラネッサン 2008
ベリー、枯葉、プルーン、中国茶、揮発性エステル(アルコール)、微かに黒糖。少し熟成が進んでおり肉っぽさもある。
バランス良くタンニン細かい。しっとりした質感の中にいまだピュアな果実があって、ほどけたタンニンとコクと穏やかな酸。香ばしい古酒へ向かう手前の状態。
開けて翌日も柔らかいベリーとミネラリーな構成は落ちない。タンニンもほどよく溶け込んでいる。
★シャトー ラ カルドンヌ 2009
香り高く、穏やかで柔らかく、優しい味わいでバランスが取れている。とても麗しくエレガントに熟成しており、クラシックなポイヤックやマルゴーを思わせる。
カシス、黒鉛、チャーミングな果実の美味しさに溢れ、タンニンは細かく、骨格を与えつつ引っかかるところがなくスルスルと飲める。これで2000円台後半とは、見つけたら買いだ!
『当たり年はプティシャトーを狙え』のセオリー通りの”今飲んで美味しい掘り出し物ボルドー”ここにあり!
僅差ながらラ カルドンヌ 2009のエレガントな旨さとコスパの良さで、仕入れ決定!
まさに今飲み頃&良質な2009年ボルドーがリーズナブルな価格で買えるチャンスはだんだん少なくなっていますので、在庫がある内に是非どうぞ。このヴィンテージのラ カルドンヌはイチオシですっ!
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